平成24年度 和光技研技術発表会

平成24年6月23日(土)に「和光技研技術発表会」が開催されました。
本年度は、特別講師として北海学園大学教授 小野丘先生をお招きして御講演いただきました。

■特別講演 『寒冷地の地盤災害を知る』

北海学園大学 工学部社会環境工学科 教授 小野丘 氏

凍上の機構、道路の法面や斜面上のトラフなどの凍上被害の実例を紹介していただきました。

凍上は、水・土質・温度の3つの要素がある条件を満たしたときに起こる現象であることを学びました。

公共測量とQ&Aについて

測量部 山田俊也、伊藤哲也、三浦大、荒屋博司

公共測量に必要な手続きの手順や、GNSS測量の概要などについて発表しました。

測量技術についてのQ&Aなど、設計担当者が普段疑問に感じている点について発表することで、社内の技術力向上に繋がりました。

私の体験技術

技術部 道路・構造課 長谷川直久

これまでに携わってきた業務・調査などについて、数多くの事例を基に発表しました。

具体的な業務内容の説明や後日談、最近の動向など、道路設計技術者としての経験を交えて紹介することで、社内の技術力向上に繋がりました。

私の体験技術

技術部 防災地質課 大谷高志

これまでに携わってきた業務・調査などについて、数多くの事例を基に発表しました。

真空圧密工法、TOFT工法による液状化対策工など、具体的な業務内容について地質技術者としての経験を交えて紹介することで、社内の技術力向上に繋がりました。

農地再編整備事業における事業損失防止調査

建築補償部 工藤健吾、横田貴史

補償業務の一環として、事業損失防止調査の検討内容・事例について発表しました。

本事業損失防止調査は「国営農地再編整備事業」の円滑な事業実施にあたり、工事に伴う振動の影響範囲や近接家屋などの現状を把握し、工事開始以降の影響を判断するための業務である。

矢板護岸における仮設構台の設計について

技術部 河川砂防課 下山康弘

密集市街地を流れる河川の護岸工事において、施工ヤードを確保する目的で河道内に仮設構台の設計手法について発表しました。

仮設構台の基礎は、一般的にはH鋼を杭としているが、本設計においては護岸として用いる鋼矢板を基礎とした。本工法を用いることで仮設と本設を兼用し、工期短縮やコスト縮減を図ることが可能となる。しかし仮設構台に矢板基礎を用いた実績は殆どなく、支持力確保が困難、座屈の検討手法が確立されていない等の問題を解決する必要が生じた。
本発表では、仮設工法等でよく用いられるが、その実態についてはよく知られていない鋼矢板について理解を深めるとともに、今後の設計への利活用について考察することを目的とする。

維持業務の展望と実施事例について

技術部 水工課 北村明、長束亮平

施設の高齢化率が上昇すると、重大な事故や致命的な損傷が発生するリスクが高まるほか、維持管理費や更新費が一時期に集中することが懸念される。限られた予算の中で、施設の信頼性を確保しつつ、効率的・効果的な維持管理の実現が急務である。
本発表は、今後増大が予想される維持業務へ対応するための展望について、樋門および堰の実施事例を交えて理解を深めていただくことを目的とする。また、実施上の問題点について報告する。

道央河川における河畔林再生の試み

技術部 環境計画課 鈴木祐子

道央の岩内郡共和町を流下する堀株川において、外来種であるハリエンジュの繁茂を抑制し、生物多様性を回復する試みが平成19年度より始められた。治水上河畔林の繁茂が許容される区間において、生態学的混播法・混植法を実施し、それに従来から実施されてきた表土戻しなどを組み合わせ、堀株川に適した河畔林再生法を検討した。
検討の結果、ハリエンジュが繁茂した原因は表土戻しであることや、周囲にハリエンジュ林が広く分布しているため、在来種の種子の供給がほとんど期待できない状況であることが明らかとなった。そのため今後の堀株川における河畔林再生は、表土戻しをやめ、在来種の苗を植える方法が適していることが示唆された。

地域と創る冬みち事業

技術部 道路・構造課 佐藤敏郎

平成18年から平成23年までの6年間にわたって『地域と創る冬みち事業』に関わってきた。住民参加型ワークショップ手法による住民との合意形成と問題点について発表します。

電気式静的コーン貫入試験の調査事例と結果の利用

技術部 防災地質課 加藤貴文

近年、地盤調査における調査手法は、さまざまな調査方法が提案されています。
今回紹介する電気式静的コーン貫入試験は、ロッド先端に取り付けたコーンを静的に貫入させるサウンディング試験の一種で、先端コーンに取り付けたセンサーにより、先端抵抗、周面摩擦、間隙水圧を電気的に計測する原位置試験です。
本発表は、電気式静的コーン貫入試験に関する調査事例を交えた説明により、試験結果から判断される事項とその活用方法および今後の展開について理解を深めていただくことを目的としています。

2012年6月23日