今年で第24回目となる「和光技研技術発表会」を令和5年6月24日(土)に開催いたしました。

新型コロナウイルスが落ちついてきたことから、対面での開催となり、活発な質疑応答が行われました。


 


■技術テーマ部門

北海道における気候変動を踏えた治水計画に係る取り組みについて

河川環境部 水落 彰宏

近年、地球温暖化に伴う気候変動の影響により施設の整備規模を上回る規模の降雨が頻繁に発生しており、気候変動による外力の増大に対して具体的な対策を講じる必要性が高まっている。北海道においても例外ではなく、時間雨量30mmを超える短時間雨量が約30年前の約2倍になる等、短時間強雨の発生回数が増加している。

本発表では、令和4年度に実施した業務を対象に気候変動を踏まえた治水計画に係る取り組み事例について発表した。

施工条件が厳しい現場における橋台基礎形式の選定

水工部  柏崎 大道

松倉川水系湯の川の河川改修工事(護岸工事)に伴い水管橋架替え(移設)が必要となった下水道管渠(水管橋)には、「超軟弱地盤層(表層)」「硬質岩盤(支持層)」「雨水排水管の近接」「狭隘箇所での施工」といった様々な条件が影響を与えたため、これらに対応する特殊な工法の選定が必要となった。

本発表では、この水管橋架替えを実施する上で採用した基礎形式の選定理由及び、設計・施工を実施する上での留意点等について発表した。

事業提案における3Dの活用について

ゆほびか  大石橋 美世

建設業界では、国土交通省によるCIM推進を契機として、特に建設現場や測量調査において三次元データの取得・活用が活発になっている。

当社でもCIMに対応すべく三次元化の取組は進んでいるものの、まだまだ従来の二次元図面が多用されている状況である。

本発表では、CIM対象業務以外での三次元データ活用事例として、三次元データを用いたデザイン提案事例等を発表する。

新技術の事例紹介

道路構造部  菅井 文彦

昨今、新技術という言葉を皆さん耳にすることは非常に多いが、私たち建設コンサルタントにとって、導入すべき新技術とはどのようなものなのか。

業務における技術提案としてNETISの活用なども当然行っているが、視野を広げることで様々な「新技術」が見えてくると考えている。

今回は、私たちが考え、そして導入した「新技術」について、近年の2つの事例をもとに紹介発表を行った。


■自由テーマ部門

河川環境部における業務プロセスの効率化について

河川環境部   中村 提知

河川環境部では業務プロセスの効率化を目的として、「DXの推進」に取り組んでいる。当部では河道計画を立案するにあたり、不等流計算を行う機会が多く、計算に使用するデータ作成に多くの時間を費やしている。

そこで、当部では使用頻度の高い不等流計算ソフトに用いるデータを一部自動化して作成するプログラムを開発した。

本発表では、開発したプログラムの機能や業務プロセスの効率化への効果について発表する。

生成AIがもたらす社会的影響

建築補償部  塩崎 泰人

本発表では生成AIの登場が社会に対してどのような影響・変化をもたらすのかを理解し、活用事例に触れ、業務の効率化につなげることを目的とする。

社会的影響は生活面と仕事面にわけ、それぞれ具体的な事例を用いて説明する。その影響に対してどう対処すべきか、生成AIをどう活用すべきか、活用の注意点等を提案する。

加えて建設コンサルタント業界における活用例(AIによる外壁タイルの浮き判定など)と課題を示し、生成AIの活用が業務効率化につながる可能性について紹介する。

ゼロカーボンカンパニーの実現に向けた提案2023

水工部  佐々木 真歩

昨今の地球規模課題「気温変動問題」の解決に向け、世界では直ちにゼロカーボン活動を進めていかなくてはならないのが現状である。
ゼロカーボン・チャレンジャー宣誓書のもとに、いよいよ日常的に脱炭素活動を取り入れていかなくてはならない。
本発表では、昨年の発表にひきつづき、ゼロカーボンカンパニーの実現に向け、具体的にどのような取り組みを行っていけば良いのかを提案した。