令和3年度 和光技研技術発表会

今年で第22回目となる「和光技研技術発表会」を令和3年6月19日(土)に開催いたしました。

本年度は、新型コロナウイルス感染症防止対策としてオンライン形式を採用し、会議室や自席、自宅から社員が参加しました。
下記の「技術テーマ発表」に加えて、管理部門などからの「自由テーマ発表」が行われ、活発な質疑応答が行われました。


■社内技術士講演

SDGsの背景にあるもの

河川環境部 本間英敏

和光技研では、昨年度からSDGsの取組みを進めています。
本発表で、現在世界規模で起きている問題や、それらの解決に向けて取るべき行動が再整理されたことで、改めてSDGsの重要性に対する理解を深めることができました。

 


■技術テーマ部門

橋梁点検における新技術の試行-第1報-

道路構造部 菅井文彦

橋梁点検の高度化および効率化を目的として、近接ドローン撮影と高解像度カメラ撮影の2つの手法を用いた画像をAIで解析し、変状箇所を抽出する技術を試行しています。
本発表では、新技術と言われるAI画像解析技術が、どこまで人間の目(近接目視)に近づくことが出来るのか、比較検証した結果を発表されました。 

3次元技術を活用した河道設計について

河川環境部 西條理穂子

近年、建設業界では「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の推進により、ICT技術の活用が進んでおり、当社においても生産性の向上や技術力の向上等を目的として、3次元データを活用した河道設計の3D化に取り組んでいます。
本発表では、2019年度に実施した河道設計業務の事例をもとに、3次元CADの作業工程や導入成果、今後の課題について発表されました。

 

UAV搭載型レーザスキャナによる三次元計測とその適用について

情報システム部 香川誠

近年、i-ConstructionやCIMが推進される中、全ての基となる三次元地形データの重要性が急速に高まっていることを受け、当社でもUAV搭載型レーザスキャナの導入し、本年度より本運用を開始しています。
本発表では、導入したレーザスキャナ機能や特性が紹介されたほか、実業務における計測事例の発表などが行われました。

 

津波遡上区間に設置される樋門の液状化対策と留意点

水工部 櫻井啓多

海岸付近の津波遡上区間に樋門を設置する場合は、地震時の液状化に伴う築堤変形・沈下により、地震時津波が河川堤防を越水する可能性が懸念されます。
本発表では、このような状況下で樋門液状化対策を実施する上での対策方法や留意点などが発表されました。

 

泥炭性軟弱地盤での道路構築に伴う軽量盛土工法の紹介と対応事例

道路構造部 鳴島勤

圧縮性に富む泥炭性軟弱地盤が広範囲に分布し、自然的要因による地盤沈下が進行している地域での橋梁架け替えでは、摺り付け道路の嵩上げ盛土の発生による周辺地盤の沈下が懸念されます。
本発表では、当該地を勘案した軟弱地盤の解析条件をはじめ、対策工の概要および工法決定までの対応策などについて報告されました。

 

都市計画道路予定地にかかる支障建物の移転工法を検討した事例

建築補償部 工藤健吾

事業の支障となる建物の移転が必要な場合、選択肢としてとりえる建物移転工法を複数案検討したうえ、通常妥当な移転工法を選定する必要があります。
本発表では、都市計画道路予定地に建築された支障物件を例に、土地や建物の形状を十分把握することは当然として、既存図面や現地調査によって物件設計者の意図を読み取ることの重要性が発表されました。

 

2021年6月24日