平成28年度 和光技研技術発表会

 今年で第18回目となる「和光技研技術発表会」を平成28年6月11日(土)に開催いたしました。

 本年度は、河川生態学、保全生態学に関して専門的な知見をお持ちの北海道大学 根岸淳二郎先生を特別講師としてお招きして、御講演いただきました。


■特別講演

河道と河畔の相互作用:理解の現状と再生事業への応用

北海道大学 地球環境科学研究院 准教授 根岸 淳二郎 氏

1_根岸先生_R

 食物連鎖の 話題を中心に、水辺生物の生態系、またそれらに与える人間・外来種の影響をご紹介いただき、そこから見えてくる今後の課題も発表していただいた。

 

 

■社内技術士講演

委託業務における成績評価ポイントについて
~業務報告書の章目構成を参考として~

技術管理部 武田 雅志

2_武田さん_R

 当社の委託業務成績評価ポイントの向上を図るため、過去の成績評価を分析して、業務の取り組み方・技術者としての心構えを示した。

 

 

■技術テーマ部門

北海道新幹線を活かす取り組み
~眺望の乏しい箇所にビュースポットを設置した設計事例~

道路構造課 八木澤 博文

3_八木澤さん_R

 本業務は、北海道新幹線開業にともない、K町で観光客の誘致を図るため、新幹線と在来線の双方を展望できるビュースポットを設けることを目的に、展望施設などの設計を行ったものである。
 展望施設は高台など、もともと眺望が良い場所に設置するのが一般的であるが、計画地は平坦地で眺望に乏しく対策を講じる必要があった。本発表は、展望施設の眺望の確保と受発注者双方の合意形成を図るため、高所作業車を使用した調査手法を提案・実施した事例紹介である。 

 

護岸力学設計による洗掘深とiRICを用いたシミュレーション結果の比較検証

河川海岸課 後藤 謙二

4_後藤さん_R

  「護岸の力学設計法」による洗掘深の評価方法には、経年的な河床変動データから評価する手法や経験則による手法、さらに数値解析等がある。現在、中小河川では解析技術や時間的な制約等から主に経験則による手法で河川の洗掘深を評価している場合が多い。
 そこで、本発表では数値計算として、一般的に普及しつつあるiRICを用いる手法と、経験則による手法から算出した洗掘深との比較検討を行い、洗掘深の評価方法について考察した。

 

ICT活用の動向と展望

情報システム室 田村 美有

5_田村さん_R

  平成27年11月、ICTを全面的に建設現場に導入することにより生産性向上を目指す、i-Constructionを推進することが国土交通大臣によって発表された。I-Constructionでは情報化施工や3次元モデルを利用した設計・施工を行うCIM、UAV(ドローン)等を使った構造物の点検・補修といった技術の統合により、現場の生産性革命が期待されている。
 本発表では、社内外の三次元データ活用事例を通じて、当社におけるICT活用の未来について、展望を述べる。

 

IT技術及びクラウドサービスを利用した営業活動効率化

営業部企画営業課 檜垣 智史

6_檜垣さん_R  広い北海道内の営業活動では移動に係わる負担が大きく、営業部員の平均移動距離は年間30,000km、平均運転時間は約5時間/日におよんでいる。また、移動に要する時間的な拘束は、社内的な情報共有にも支障をきたしている。そこで、営業部では営業活動の効率化と情報共有の強化を目的に、本年度よりスマートフォン及びEVERNOTEを導入した。
 本発表では、これらの導入経緯と利用状況、その効果について紹介する。

 

扱いに困る物件の移転補償事例

建築補償課 寺内 知生

7_寺内さん_R

 事業用地の取得にかかる物件には多種多様なものがあり、中には本当に意外なものが待ち構えている場合がある。各種農機具、歯科技工機器、軽種馬等々、一時的ではあるがその財産価値を正しく理解し、移転補償の金額を算定することが求められる。もちろん建築士にとっては専門外の代物であり、寝ても覚めても、休日であっても常に頭を悩ませることとなる。
 本発表では、こうした扱いに困る物件について移転補償を行った事例について紹介する。

 

林道工事で発生した地すべりの調査・対策検討事例

防災地質課 小岩 晃

8_小岩さん_R  本発表は、林道開設工事で発生した「地すべり」の調査・対策工設計に関する事例報告である。業務では、資料調査、現地踏査で平面・断面的な地すべり規模を推定し、地すべり調査・観測の結果をもとに機構・安定解析を行った。
 対策工は、経済性や発生土利用の観点から「押え盛土工+地下水排除工」を提案した。この際、押え盛土が施工済みの林道や現河道の一部に及ぶため、地すべり防止効果(計画安全率)に留意しながら道路・河道線形並びに護岸形式を決定した。

 

UAVの可能性

測量調査課・(株)ジオネット 三浦 大、松本 正、川本 貴大

9_三浦さん_R

 Ⅰ:平成28年4月に『UAVを用いた公共測量マニュアル(案)』が整備され、さらに『公共測量におけるUAVの使用に関する安全基準』が制定されたので、UAV再構築の検討と成果作成の検討やその活用方法などを報告する。
 Ⅱ:平成26・27年度業務のS川で実施したUAV測量の実例報告と三次元点群測量の実用性の確認を行ったので、その結果を発表する。 

 

河床低下対策工事の効果検証と今後の予測

環境計画課 夏井 晧盛

10_夏井さん_R  河床低下が進行している道北のS川では、対策として3基の床止工群の設置が計画され、そのうち1基目の整備が完了している。この床止工群は、上流域から供給される土砂を捕捉し、低下した河床を復元させることを目的としているが、その効果が発揮されるかどうかは不明である。
 本発表は、1基目の床止工設置後の効果検証と、2基目、3基目設置後の河床状況の予測を行い、河床低下河川における床止工群の有効性について評価したものである。

 

密集市街地における軟弱地盤上の河川護岸設計事例

水工課 太田 真吾

11_太田さん_R

 軟弱地盤かつ狭隘箇所といった施工条件での都市河川において、河道掘削に伴う地下水位低下により、周辺の地盤沈下とこれに伴う近接家屋への影響が予想された。
 近接家屋の移設と変状を回避するため、①地下水位の低下抑制、②周辺地盤の変状抑制、③施工ヤードの確保といった3つの制約条件を満足する護岸の施工方法を抽出する必要があった。
 本発表では、河川改修事業を実施する際の既往技術の課題を整理したうえで、代替工法となる新技術の合理性、経済性を考慮し、軟弱地盤での適用可能性を示した。

 

2016年6月11日