平成15年度 和光技研技術研究発表会

私たちは、どのような時代にあっても常に自己研鑽を行い、お客様や地域社会のニーズや期待に応えられるように、継続的な技術力の向上に努めなければなりません。
コンサルタントとして幅広い知識を身につけ、また当社の技術をあらためて共有することで能力を高め、お客様に信頼されるコンサルタントに成長するため、様々な部署からの技術報告がありました。

(1) 複合ラーメン橋梁の構造特性

地域開発部  半浦 剛
地質部     坂井 敦行

複合ラーメン(インテグラルアバット)橋梁は、米国など海外では一般化されているものの、日本国内では施工例が少ない橋梁形式である。本発表では、性能照査設計とライフサイクルコストに着目しつつ、剛結部構造の比較検討や地盤条件にもとづく橋台の側方移動の判定手法について報告した。

(2) これからのコンサルティングと技術営業のあり方

営業部企画計画室 荒  精一

建設変革の時代、私たち技術者に求められている事柄を、『財政逼迫』『低成長時代』『地域間競争』『観光立県』『コンパクトシティ』などをキーワードにしながら、コンサルティングとはどうあるべきかを発表した。また、これからの技術営業のあり方について、NPO法人との取り組み事例を報告した。

(3) 河川洪水頻度と河畔林群落構成の関係

河川環境部 小野寺 則子

近年、河川事業では、河畔林を保全することで洪水緩衝機能や動植物の生息場所としての役割を損なわない改修が行われている。
しかし、そのすべてを保全することは難しく、やむを得ず一部の河畔林のみを残すケースが少なくない。本発表ではこうした点に着目し、自然河畔林と改修後の残地河畔林の群落構成を比較した。

(4) 物理環境や餌環境による底生動物群集の違いについて

河川環境部  中原   修

底生動物の群集を調査することによって、対象河川の水質や河川形態などの特性をある程度把握することができる。
本発表では、動植物の生息生育環境に配慮した河川改修工事や自然再生事業の効果を客観的に評価する手法のひとつとして、主に底生動物群集に着目した調査概要を報告した。

(5) 漁港修築工事に伴う漁礁ブロック等に付着する動植物の観測

測量調査部  葛西  一昭

スキューバダイバーの水中撮影によるヤリイカの産卵礁調査と水中ブロックに着床する動物種・海藻種調査の結果が報告され、全道沿岸で懸念されている『磯焼け現象』の危惧を写真や映像を使って指摘した。またこの対策としてブロック形状・素材の工夫などの必要性が発表された。

(6) GEONOVAを利用した3Dプレゼンテーション

情報システム部 成川 憲司

GEONOVAは、3Dデータ化された航空写真をパソコン上であらゆる角度から立体視できるシステムである。本発表では、河川河道計画において住民説明資料として作成された映像を紹介した。
また、実施設計における支援ツールとしての将来展望が報告され、多くの技術者や営業担当からの期待の声が寄せられた。

■特別講演 建設コンサルタントの現状と課題

顧問  上村 勝治

講演では、創業40周年を迎えるにあたり、建設コンサルタント業の歴史を振り返った。
また今後は、社員が『想像力』『発想力』を発揮して発注者の『知恵袋』となることや、当社ならではの独自戦略の重要性などについて、全社員へメッセージが送られた。

2004年2月7日