平成14年度 和光技研技術研究発表会

日時:平成14年12月7日(土)
会場:ちえりあ(札幌市生涯学習総合センター) 中研修室1

第6回目となる今年の発表会は、会場を当社会議室から「ちえりあ」へ移し、論文発表会形式の正確なタイムスケジュールで進行しました。若手から中堅社員による自発的な発表により、部署間の技術交流が図られ、新たな営業展開の大きな契機となった一日でした。

(1) 河川改修工事における他機関との連携

河川環境部  藤平 雅之

河川改修工事に伴う橋梁の架け替えにおいて、必要な桁高が現状では確保できないという問題を解消する事例である。
本事例では、様々な検討案の中から、現地の条件や他の機関(事業者)の工事状況を把握し、連携することについて紹介した。

 

(2) 河川工事における地下水位への配慮

河川環境部  香川  誠

河川水と地下水の間には、需要と供給の関係が成り立っているが、目に見えないため普段は意識しにくい。
今回の発表では、最新の知見を踏まえ、地下水の特性や解析手法などを紹介した。

 

(3) 施工管理業務の経験による設計業務への課題

地域開発部  小岩  晃

自らが経験した2年間にわたる施工監理業務の中から、施工後の問題点を抽出し、設計段階で配慮すべき課題について報告した。

 

(4) 柔構造樋門設計と動態観測結果のフィードバック

地域開発部  田宮  敏

自らが設計した柔構造樋門の施工状況や沈下量について追跡調査を行い、動態観測結果などから現段階の設計手法と比較検討することで、今後の設計に反映すべき事項を報告した。

 

(5) 大きな張出部のあるプレテンションPC桁橋の設計

地域開発部  半浦  剛

道路隅切部が橋梁上となる場合に多く採用される張出部の構造形式は、橋長23m以下の小橋梁に採用実績が多いプレテンションPC中空床版桁の場合、歩道側では主桁本数を増やすことで張出部の張出長を小さくした上でRC構造で、また車道側ではPC主桁部と同じ構造高のRC構造で、対処することが多かった。
本発表では、主桁の横締工を利用して張出桁部にプレストレスとを導入することにより、ポストテンションPC構造の張出桁を設置し、デッドスペースが出現する場合に較べ経済性・景観に優れた構造の設計事例について報告した。

 

(6) 総務部の社内広報~過去・現在・そして未来~

総 務 部  西畑 宗徳

LAN構築・インターネット・電子メールなどの普及により、急速に進んだ当社の情報システムについて、情報伝達手段としての経緯と現状、そして将来像を具体的事例を交えて紹介した。

 

(7) RTK-GPS測量におけるVRS(仮想基準点)データ配信システムの測位実験について

測量調査部  伊藤 哲也・山田 俊也

高精度なリアルタイム測位(RTK-GPS測量)を行う場合、従来の技術では電離層による影響(誤差)を避けることができなかった。
今回の発表では、これについて補正を行う手法として、ドイツなどで開発され試験的に利用されているVRS(仮想基準点)方式観測の実用化実験について報告する。

 

(8) デジタルオルソフォトの利用性に関する研究

測量調査部  菅原  巧

オルソフォトは、ここ数年急激に需要が高まった。今回の発表では、オルソフォトの現状と技術的説明を行い、今後期待される利用法や新たな技術などついて実例をもとに報告した。

 

(9) 地すべりハザードマップ作成の現状と地形判読技術開発への取り組み

地 質 部  太田 昌宏
情報システム部  赤津 敏夫・成川 憲司
測量調査部  菅原   巧

<概要紹介>
発表では、平成14年度の地すべり学会や『技:011』でも紹介したデジタルステレオ図化機を活用した、地すべり地形判読法および三次元アニメーションを使った表現方法について、デモンストレーションを交えて報告した。

 

(10) アニメーションを利用したプレゼンテーション

情報システム部  成川 憲司

アニメーションを使用することの利点・欠点や、これまでの実績から得られた意見や感想などを紹介し、今後の利用法についてデモンストレーションを交えて報告した。

 

■特別講演 地質図幅について ~紅葉山図幅を例として

地質部 技術顧問 高橋 功二

講演では、平成14年3に発行された「5万分の1地質図幅説明書『紅葉山』(北海道立地質研究所)」の調査・執筆の過程、また作成秘話などについて、約50枚のスライドを利用して紹介した。

2002年12月7日