環境分野

一般的に開発行為は、私たちの生活にとって利便性や安全性を高め、福を与えることになりますが、その際、私たちだけが福を享受するのではなく、動植物などへの配慮を欠かさずに福を分け合い、また将来の福のために植生の復元や知識の蓄積等が重要になると考えております。

私たちは、このような考えを基にして、人々と自然の両者が幸福を享受できるようなプランを提案できるように、業務を通して知識の蓄積を図っていきます。

1. 自然環境調査(動植物全般)

主に河川・砂防工事を対象に、工事前から工事実施後まで、動物全般、植物全般について調査を行っております。

2. 河川形態調査(瀬・淵の分布、RHS(River Habitat Survey)など)

河道計画や自然再生計画等の立案、環境へ配慮した工事を実施した後の評価等を行うためには、動植物の調査に加えて、瀬・淵の分布や頻度など物理的な環境を把握することが重要になります。そのような要望にお応えするために、河川形態等の調査を行っております。

3. 河川環境についての定量的な評価

河川環境について定量的な評価を行うためには、出来るだけ統計解析によって数値で示すことが求められます。そのような要望にお応えするために、調査デザインの検討、厳密な現地調査、統計解析等を行っております。

4. 河畔林維持管理計画検討

河川改修後数十年を経過している河川等では、ヤナギ類を主に河畔林が繁茂しており、治水上の問題が発生しております。河畔林については環境との調和を図りながら、安全性を確保することが求められており、そのような要望にお応えするために、調査・計画立案を行っております。

5. 外来種対策

近年、河川改修後の河道等で、ハリエンジュ等の外来種の侵入が問題となっております。これらについての実態把握や試験施工など行い、データの蓄積や対策の提案など行っております。

6. 貴重動物対策

工事実施にあたっては、オオタカやエゾサンショウウオ等の貴重動物への配慮が求められます。営巣地や繁殖状況の把握、保全策の検討など行っております。

7. 貴重植物対策

工事実施にあたっては、その場から逃げることが出来ない植物については、保全策の一つとして移植が考えられます。このような植物について、現況把握、移植試験、移植など行っております。

8. 住民合意形成

近年、川づくり等の公共工事では、地域住民との合意形成が重要です。そのような要望にお応えするために、現地見学会や委員会・ワークショップ運営など行っております。

9. 多自然川づくり

「多自然型川づくり」が始まって十数年経過し、さまざまな反省点を踏まえ、近年は「川の営みを活かす」という視点の元、「多自然川づくり」を基本とすることとされています。そのような要望にお応えするために計画・設計を行っております。

10. 親水整備計画

水辺は、地域住民にとって、自然とのふれあいの場であったり、散歩やレクリエーションの場になったりするなど、まちづくりのシンボルとして重要な要素となっております。なかでも親水的な整備を望む声も多く、そのような要望にお応えするために計画・設計を行っております。

11. 環境マップ(GIS)

膨大な環境調査結果のまとめや、魚道整備や河畔林維持管理など環境面における将来戦略立案のために、情報部門と共同でGISによるとりまとめを行っております。